トピックス
薬局と介護保険外サービスの新しい形──アシスタ豊橋代表 齋藤肇さんインタビュー

目次
⚫︎概要
⚫︎現在行っている事業について
⚫︎アシスタFCに加盟した経緯
⚫︎加盟前の懸念点
⚫︎加盟後に直面した課題
⚫︎加盟前の想定と現実
⚫︎アシスタメンバーについて
⚫︎運営スタッフとのコミュニケーション
⚫︎利用者とアシスタメンバーのマッチングについて
⚫︎印象に残っている依頼事例
⚫︎アシスタFCに向いている事業者とは?
⚫︎今後の展望
●概要
アシスタ豊橋では、高齢者が日常生活で抱える「ちょっとしたお困りごと」に対して、薬局事業と連携した支援を行っており、身近な頼れる存在として地域に根ざしたサービスを展開しています。
今回はアシスタ豊橋の代表・齋藤さんに、加盟に至った経緯や薬局事業との相乗効果、そして今後の展望について伺いました。

インタビュアー: 株式会社LibertyGate代表取締役 菅原魁人(写真左)
回答者:アシスタ豊橋代表 齋藤肇さん(写真右)
●現在行っている事業について
▼菅原
アシスタ豊橋の齋藤さん、本日はお時間いただきありがとうございます。
よろしくお願いします。
▼齋藤
はい、よろしくお願いします。
▼菅原
現在行っている事業についてご紹介いただけますか?
▼齋藤
有限会社ドラッグストアー・カミヤという会社を経営しておりまして、愛知県豊橋市を中心に5店舗の調剤薬局を運営しております。
会社自体は70年以上続く老舗ですが、私自身は昨年6月に代表に就任し、ちょうど1年が経ったところです。
●アシスタFCに加盟した経緯
▼菅原
アシスタを知った背景や、加盟に至った経緯について教えていただけますか?
▼齋藤
もともと別の会社でフランチャイズ事業をしていた経験があり、フランチャイズのメリットや魅力は理解していました。
現在の会社の代表に就任した際も新しいフランチャイズ事業を始めようとしており、その中で「せっかくやるなら高齢者向けのサービスを」と考えていたところ、アシスタを見つけて加盟に至りました。
加盟の理由は大きく二つありまして、一つはすでに薬局として高齢のお客様との接点があるため「薬だけではない価値の提供」をしたいと考えたこと、もう一つは高齢の親を持ちながら働く「ビジネスケアラー」への支援です。
当社では法人向けの福利厚生としてこの支援を進めており、その一つとしてアシスタを組み込みたいと考えました。
このような背景から、2024年12月からアシスタのフランチャイズ事業をスタートしました。

●加盟前の懸念点
▼菅原
フランチャイズのご経験があるとのことですが、アシスタは薬局とは異なる事業だと思います。
加盟前に抱いていた不安や、課題に感じていたことがあれば教えていただけますか?
▼齋藤
私が社長になった当時は社内体制がまだ十分に整っておらず、私自身も薬剤師として現場に入っているため、アシスタの事業に専念できる状況ではありませんでした。
その中で、どう社員を巻き込み、担当者を立てて進めていくかという点で、一時は加盟を迷った時期もありました。
ただ、フランチャイズであればノウハウや仕組みを提供していただけるので「それなら思い切って始めてしまおう」という勢いもあり、加盟に踏み切りました。
特に大きな懸念はなかったのですが、価格設定が高いと思われるのか、安いと思われるのかは実際に始めてみないと分からない部分でした。
結果的に現在は「これくらいが相場だろう」という水準に落ち着いており、今はその点についても安心して事業を進められています。
●加盟後に直面した課題
▼菅原
加盟後に直面した課題や、特に難しいと感じたことはありましたか?
▼齋藤
調剤薬局業界全体に言えることですが、これまで営業活動を必要とせずに成り立ってきたので、当社の社員にも営業経験のある人材はいません。
私自身が担当することも考えましたが、現場の薬剤師として店舗に立つ時間が多く、営業に専念するのは難しい状態でした。
ただ、その点はスーパーバイザー(SV)の方から営業手法や活動の頻度、対応の仕方などを毎週の定例ミーティングで丁寧に教えていただいており、実践を重ねながらですが少しずつレベルアップできていると感じています。

●加盟前の想定と現実
▼菅原
加盟前には想定していなかったけれど、実際に始めてみて感じたギャップはありましたか?
意外と苦労したことや、逆に期待以上だった部分があれば教えてください。
▼齋藤
加盟前は「すぐに広がるだろう」と楽観的に考えていましたが、実際は「介護保険外サービス」というものが十分に認知されていないため「具体的に何をしてくれるのか分からない」と受け止められてしまうケースが多い印象です。
確かなニーズはあると感じていますが、ケアマネジャーさんに紹介して「いいですね」と評価をいただいても、実際の問い合わせに結びつかないケースが少なくありません。
一方で、当社が薬局であることは信用面でプラスに働いていると思います。
「怪しい会社ではない」と受け止めてもらえるのは大きな強みです。
あとは、介護保険外サービスの必要性や利便性を丁寧に伝えていけば、少しずつ浸透していくと考えています。
▼菅原
介護保険外サービスは、仕組みや価格が事業者によってまったく違いますよね。
「なんとなく良さそうだけど、よく分からない」で止まってしまうケースも多いです。
だからこそ単なる認知拡大ではなく「どう伝えるか」「どう説明するか」という質の部分が重要になってくると思います。
▼齋藤
その通りだと思います。
さらに言えば、アシスタは「何でもできる」と見られがちですが「何でもできます」と言うと、逆に具体性がなく問い合わせに繋がらないので、ニーズの高いサービスから順に事例を紹介していくことも必要だと感じています。
●アシスタメンバーについて
▼菅原
現在の運営体制としては、電話対応や営業、実際の依頼対応まで幅広く担っていただいていますが、アシスタの現場ではどのような方が活躍されていますか?
▼齋藤
アシスタメンバーは圧倒的に女性が多く、年齢は40代が中心です。
他に本業を持ちながら「この曜日が空いているから」「この時間なら対応できるから」といった形で柔軟に活躍していただいています。
▼菅原
実際に活動しているメンバーの様子についてはいかがですか?
▼齋藤
他人の家に2人きりで上がることに抵抗を示される方が一定数いらっしゃいました。
ただ、そのハードルを越えてしまえば「普段家でしていることを他の家でして、お金をいただける」と前向きに受け止めて下さる方も多いです。
●運営スタッフとのコミュニケーション
▼菅原
依頼対応に関して、運営スタッフとの連携やコミュニケーション面での困りごとはありますか?
▼齋藤
基本的にスタッフとのやり取りはLINE公式アカウントで行い、私も内容を確認できる体制です。
小さな報告もリアルタイムで共有されるため、必要に応じて私から指示を出すこともできます。
そのため、現時点でコミュニケーション面の問題は特にありません。
●利用者とアシスタメンバーのマッチングについて
▼菅原
アシスタメンバーとのマッチングを行う際に、依頼の割り振りで困るケースや調整が難しい場面はありますか?
▼齋藤
スポットワークのスタッフだけでは対応しきれないケースがあり、社員が直接対応している事例もあります。
特に「毎日1時間」など高頻度の依頼はスポット対応では難しく、利用者からも「同じ人に来てほしい」という要望が出るため、案件ごとに丁寧に向き合う必要があります。
▼菅原
やはり毎日や高頻度での依頼は、件数自体は多くないものの一定数発生します。
そのようなケースは1人だけで対応するのは現実的に難しく、リスクもあるので2〜3人で分担して対応できる体制が理想ですね。
▼齋藤
中には「もっと深く関わりたい」と雇用契約を望む方もいますが、高齢者という特性上、入院や体調の変化で案件が突然終了する可能性があるため、現状では多くの業務委託スタッフを束ねていく体制が必要だと考えています。
●印象に残っている依頼事例
▼菅原
これまでの活動の中で、ご利用者様・ご家族・ケアマネジャーの方からの印象に残っている声や、嬉しかったエピソードがあればぜひ教えてください。
▼齋藤
介護保険では対応できない「買い物の付き添い」の依頼で、脳性麻痺の方の服選びをサポートした案件があり「これまで我慢していたことができた」と大変喜んでいただきました。
このような介護保険外だからこそ実現できるサービスの価値を、もっと発信していきたいと思っています。
●アシスタFCに向いている事業者とは?
▼菅原
アシスタへの加盟を検討されている方に向けて「こんな方なら合うと思う」「こういう考え方の方ならうまくいきそう」といった、齋藤さん自身のご経験に基づいた所感があれば教えてください。
▼齋藤
地域に根ざした事業を展開している方や、中小規模で独自の付加価値をつくっていきたいと考えている方には、アシスタは非常に合っていると思います。
実際、私自身も薬局事業にアシスタを組み合わせることで「薬を渡すだけではない関わり方」が可能になりました。
現在の薬局は「処方箋を受け取る場所」というイメージが強いですが、戦後間もない頃の薬局は「健康よろず」と呼ばれ、健康や介護に関する身近な相談の場でもありました。
アシスタを事業に取り入れることで、その原点に立ち返りつつ、現代のデジタル技術も活かした新しい地域貢献が実現できると感じています。
地域の高齢者に寄り添いたい方、特に薬局を運営している方にはぜひ加盟を検討していただきたいですね。

●今後の展望
▼菅原
アシスタとして、あるいは薬局との連携を活かした独自のビジネス展開について、今後のビジョンを教えていただけますか?
▼齋藤
今後は高齢者ご本人の支援だけでなく、そのお子さん世代のサポートに力を入れたいと考えています。
親の介護のために仕事を辞めたり、十分なパフォーマンスを発揮できない人が増えると、企業にとっても経営課題になりかねません。
アシスタが「病院付き添い」「掃除」「買い物」などを代わりに担うことで、働き盛り世代が仕事を続けやすい環境を整えたいと思っています。
企業とも連携しながら、高齢化社会に対応する新しい支援の形を築いていきたいです。
●まとめ
今回のインタビューでは、アシスタ豊橋の齋藤さんに、薬局事業と連携した新しい高齢者支援の取り組みについてお話を伺いました。
薬の提供だけではなく、アシスタを通じて地域の暮らしに寄り添うサービスを展開し、働きながら介護を担う「ビジネスケアラー」へのサポートにも取り組まれています。
こうした取り組みは、高齢者やご家族だけでなく、企業にとっても安心できる体制づくりにつながっています。
アシスタは「高齢者だけに向けたサービス」ではなく、地域に暮らす方々に寄り添う仕組みです。
今後も介護保険外サービスを通じて、より多くの方々に安心なサポートを届けてまいります。
●アシスタのご利用を検討されている方へ
病院付き添いや、お掃除代行、日常のちょっとしたサポートなど「介護保険では頼めないけれど、誰かに助けてほしい」という声にお応えするのが、アシスタです。
アシスタメンバーが地域の皆さまのご自宅に訪問し、安心・丁寧にお手伝いします。
ご不明点や不安なことがあれば、お気軽にご相談ください。
▶︎ アシスタの依頼一覧
●アシスタへの加盟をご検討中の方へ
アシスタは、介護保険では賄えない高齢者のちょっとしたお困りごとを解決する介護保険外サービスです。
今回ご紹介したように「地域の課題に向き合いながら自分たちらしい形で運営したい」
という思いをお持ちの方は、ぜひ一度、お気軽にご相談ください。