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学生の「社会参画」を支える地域プロジェクト──アシスタ鳥取・bankup 中川玄洋さんインタビュー

目次
⚫︎概要
⚫︎地域と学生をつなぐ「bankup」の活動とは
⚫︎アシスタとの出会いと導入の背景
⚫︎導入前の懸念点
⚫︎アシスタで働く学生たちの声
⚫︎利用者・ケアマネジャーからの声
⚫︎学生の交代時に心がけていること
⚫︎今後の展望とアシスタへの期待
⚫︎まとめ
⚪︎アシスタのご利用を検討されている方へ
⚪︎アシスタへの加盟をご検討中の方へ
●概要
アシスタ鳥取では、地域の高齢者が日常生活の中で感じる「ちょっとしたお困りごと」に対し、鳥取県の学生が訪問支援を行っています。
支援内容は、スマートフォンやパソコンの操作補助、軽作業など多岐にわたり、介護保険では対応しきれないニーズに応えるものです。
今回はアシスタ鳥取の代表・中川さんに、アシスタ導入の背景や学生のリアルな声、そして地域とのつながりについて伺いました。
インタビュアー: 株式会社LibertyGate代表取締役 菅原魁人
回答者:アシスタ鳥取代表 中川玄洋さん(特定非営利活動法人bankup)
●地域と学生をつなぐ「bankup」の活動とは
▼菅原
改めて、現在の事業について教えていただけますか?
▼中川
bankupは鳥取大学や鳥取環境大学の大学生が地域に参画するような、インターンや地域プロジェクトを企画し、地域実装するNPOです。
主にクライアントは自治体が多く、「若者の声を施策に活かしたい」、「鳥取大学などに進学してきてくれた県外出身の大学生が、地域に残る流れを作っていきたいんだけど、何かプロジェクトできませんか?」のようなご依頼をいただいて、その伴走支援やコンサルティングを行っております。
●アシスタとの出会いと導入の背景
▼菅原
アシスタを初めて知ったときの印象はいかがでしたか?
▼中川
地方でこのような事業をしている若者がいることに興味がありました。
大学生は学年が上がると研究室やゼミや就活で、まとまったバイトができなくなるので、そこがマッチしそうだなと思いました。
また、元々農村地域のご高齢の方とやり取りをしていたプロジェクトがあったので、関わる学生たちとの親和性が期待できる可能性が高いという印象でした。

▼菅原
地域の高齢者のニーズについては、どのような印象をお持ちでしたか?
▼中川
過去に関わったプロジェクトで、地域のお困りごとを聞く企画があり、このエリアには需要がありそうだと感じていました。
一方で、地方なので支払額が高くないかということは懸念点として考えていましたね。
●導入前の懸念点
▼菅原
高齢者の方からのニーズはあっても実際にお仕事として依頼につながるのか、という懸念もあったのでしょうか?
▼中川
そうですね。普段は自治体から「ボランティア的な人の関わりを作ってくれ」と依頼されることが多いので、実際にお会いする方々がお金を出して依頼してくれるのかは心配でした。
加えて、今の学生たちは僕らの頃よりさらに忙しくなっている感覚があるので、利用者さんの希望する時間帯にどれだけマッチングできるか、という点も課題としてありました。
▼菅原
その他に導入前の課題はありましたか?
▼中川
利用者さんとケアマネジャー(以降「ケアマネ」と称す)さんから聞かれるのは、遠いエリアの依頼時にどうするのかということです。学生が住んでいる地域と高齢者の方が住んでいるエリアに乖離があるという印象があったため、マッチングできるのかという懸念点はありました。
さらに、車を持っている学生がどれくらい登録してくれるのかについても初期は課題感として持っていたところです。
▼菅原
実際に運用してみて、学生の移動範囲についてどのような印象を持ちましたか?
▼中川
思った以上に学生が移動に対してハードルを感じていないというか、「あ、いいですよ」という感じで来てくれているのが現状です。
アシスタに登録している大学生には、「こういうことに関わってみたい」「何か貢献できるならやってみたい」というモチベーションがあるので、距離を越えて活動してくれているように感じています。
●アシスタで働く学生たちの声
▼菅原
働いてくれている学生さんたちからは、どんな声がありますか?
▼中川
スマホやパソコンの使い方を教える依頼でマッチングした学生からは、「こういうことをしていて書類にまとめたいから、パソコンやスマホを教えてほしいんだよね」と、利用者さんが丁寧に背景を話してくれることで仕事の目的も理解できるし、利用者さんの過去の仕事の話などもしてもらって学びになる、という声がありました。
また、大学の求人から申し込んでくれた学生の中には、「人と話すのが好きなので、こういう仕事って楽しいですね」と話してくれた学生もいて、実際に利用者さんからも「来てもらって良かった」という声をいただいています。

●利用者・ケアマネジャーからの声
▼菅原
実際に利用者さんやケアマネさんからの反応はいかがでしょうか?
▼中川
ケアマネさんからは、「高齢者一人ひとりの人生を考える上で、アシスタのようなサービスがあるのはありがたい」という声をいただいています。
また、「ちょっとしたお困りごとが積み重なると、後々の生活にも影響が出てくるので、それを少しでも解消できる“選択肢がある”ということがありがたい」とも伺っています。
●学生の交代時に心がけていること
▼菅原
学生は卒業などでアシスタを引退していくと思うのですが、依頼の対応をする学生が変わる際、利用者さんにはどのように説明していますか?
▼中川
マッチングに関しては、前任の学生にどのような感じだったかを聞いて、引き継ぎのような形を取るようにしています。
学生本人からも「そろそろお別れの時期が来ますよ」と軽く説明をしてもらい、スタッフからも入れ替わりの際にはしっかり説明しています。
「大学生だからこそ変わってしまう」という事実と、「新しい出会いがある」というポジティブな面を一緒に伝えるようにしています。
●今後の展望とアシスタへの期待
▼菅原
今後の展望やアシスタへの期待があれば教えてください。
▼中川
アシスタは、ちゃんと「仕事」として発注できる良さがあるので、学生の裾野が広がると思っています。
街に関わる若者が「働く」面でしっかり関わっていけるのは、元々bankupとして目指していた「社会参画をどう増やすか」というテーマと非常にマッチしています。
また、アシスタを通じて社会に踏み出していく若い人が増えると、ご家族や将来の自分自身の老後について考えるようになったり、人に優しくなる意識が育ったりすると思います。
そういった若者が増えていくことに期待しています。
●まとめ
今回のインタビューでは、アシスタ鳥取の中川さんに、地域の学生が高齢者支援に関わる現場の様子や、実際の利用者さんとのやり取りの中で見えてきたことについてお話を伺いました。
アシスタに関わる学生たちは、単なるアルバイトとしてではなく、「人と関わること」「地域で役に立つこと」に意欲を持ち、自ら考えて動いています。
こうした学生の存在が、利用者さんとの信頼関係を育み、ちょっとしたお困りごとの解決だけでなく、日常に安心や楽しさを届けています。
「どんな人が来てくれるの?」「うちもお願いできるのかな」と思った方にとって、本記事がアシスタの利用を検討するきっかけになれば嬉しく思います。

⚪︎アシスタのご利用を検討されている方へ
病院付き添いやスマホ指導、日常のちょっとしたサポートなど、「介護保険では頼みにくいけれど、誰かに助けてほしい」──そんな声にお応えするのが、アシスタです。
アシスタメンバーが地域の皆さまのご自宅に訪問し、安心・丁寧にお手伝いします。
ご不明点や不安なことがあれば、お気軽にご相談ください。
▶︎ アシスタの依頼一覧
⚪︎アシスタへの加盟をご検討中の方へ
アシスタは、介護保険では賄えない高齢者のちょっとしたお困りごとを解決する介護保険外サービスです。
今回ご紹介したように、 地域の課題に向き合いながら自分たちらしい形で運営したい──そんな思いをお持ちの方は、ぜひ一度、お気軽にご相談ください。